久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

無罪世界 (ビーボーイノベルズ)

無罪世界 (ビーボーイノベルズ)

  • 無罪世界

★★★★☆
本そのものが厚め(正味318ページ)なので、ずーっと積読になっておりました。
思わぬ遺産相続に想像を絶するおまけがついていたので人生が大きく変わっていく男のお話です。
家族に恵まれず17歳でホームレスを味わい、今は詐欺まがいの訪問販売をして暮らしているゲイの山村。ある日弁護士・有村に呼び出され、父親の兄が死に遺産相続の権利があるが、その代わりにブラジルの原住民に育てられ言葉も何も分からない従弟の世話を引き受けることが条件だと言われます。無責任な皮算用をし、二つ返事で引き受けますが従弟の宏国は想像を絶するワイルドさで、世話をやいてやらないとご飯も食べられない状態なのにいちいちトラブルを巻き起こします。手づかみ食べや裸生活、おかしな呪文や歌、力があるので押さえ込むこともできず、うるさいと隣のオバサンに怒鳴り込まれ、高熱を出して医者に見せれば暴れまくり・・・しかし、そんな生活の中でも少しずつ歩み寄っていく二人なのでした。ババアババアと言いながらも、隣のオバサンの人の良さに助けられ、ヤブ医者とけなしながらも、ブラジル原住民の言葉が少し分かる落合医師とは飲み友達になり、それまで入れ込んでいたギャンブルも控えめになり、収入は少なくないのに自堕落な生活で借金に追われていた山村の生活態度そのものが少しずついい方向に変わっていくのです。
しかし、それで終わらないのが木原節。最後の最後でどんでん返しされました。仁志田(山村の同僚)よやっぱりお前は・・・です。有村さんよアンタも冷たい・・・。だからなおさら、最後の2ページでボロ泣きですよ。
はぁ、よかった。
そういえば、エッチシーンについて何も感想を書きませんでした。生理的欲求のはけ口がどのあたりまでで、恋愛感情を伴うものがどのあたりからなのかははっきりわかりませんが、本編の中のセックスシーンより、この先の二人の幸せばかりが気になるのです。きっと幸せなんだろうなと思います。「あいして」

美女と野獣と紳士―愛と混乱のレストラン〈2〉 (二見シャレード文庫)

美女と野獣と紳士―愛と混乱のレストラン〈2〉 (二見シャレード文庫)

★★★★☆
こっちも積読でした。タイムリーに読めばシチュエーションもバッチリの時期だったんでしょうが、クリスマスはとっくに過ぎてしまいました。前巻のあらすじをほとんど忘れていると言う体たらく・・・なのに、ありがたいことにそれ程説明くさくない程度補足されていて、大体思い出せました。
レストラン経営はどうにか軌道に乗ってきたものの、シェフ・久我とディレクトール・理人の関係はギクシャクしたまま。ジビエ料理の過程を見て卒倒しては介抱され、自分の食事の管理がなっていないと無理矢理食べさせられ、理不尽に感じながらも久我を頼りにしている理人ですが、久我の元カノが登場し心は揺れ動きます。
また、ひょんなことから「あしながおじさん」の正体が判明したことで、別の部分の心が壊れそうになり久我に慰められるがままに体を開くのですが・・・えーっ!ここで終わり!?確かに一言余計でしたが、久我が可哀想かも!
センテンスごとに目線が変わるので、時々誰がお当番なのか考えちゃうことがありましたが、その割には特に読みづらいわけでもなく、各登場人物が満遍なく活躍してくれているのでまあいいかなと思いました。