久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

  • 月夜ばかりじゃないぜ

★★★★☆
おまけで★4つ。ホントは3つ半てところ。ヤクザ×探偵のお話ですが、まぁ、ヤクザ中心と言っていいかと思います。だって、ヤクザ嫌いの探偵も組長の息子だしね。子供の頃からお守役で、母親が死んでからはなおさらに過保護になった甲斐に、思いを打ち明けたものの受け入れてもらえず、傷心のまま渡米した組長の息子・鳴海は、帰国後新宿で探偵業を始めたのですが、そこは神武会のシマでもあるので請ける仕事も無関係とはいえず・・・結局、ヤクザ関係のトラブルに巻き込まれていきます。イラストを見る限り、綺麗だけれど大変男っぽい感じの鳴海ですが、頭がよくてフットワークも軽くいいところだらけに見えそうなのに、詰めが甘くていちいち甲斐に助けられている状態で、どうにも女々しい感じがぬぐえません。で、甲斐はその分いいとこ取りでカッコイイのですが、寡黙なものだからいちいち誤解を生むわけです。
で、この話のどこが読みどころかと言えば、共和会がらみの事件の解決に奔走する鳴海の行動でしょうか。安っぽい刑事ものみたいな展開で、先が読めてしまいますが、それなりにワクワクできます。お約束の媚薬も使われちゃいますし。
それから、岩本氏に一言。「ひとりごちる」「腹ごなし」の使い方が間違っていませんか?

ハゴロモ少年(1) (B's-LOG COMICS)

ハゴロモ少年(1) (B's-LOG COMICS)

★★★★☆
素材にこだわりがあるばかりに行き詰っているデザイナー・宗一郎のところに現れた布は、創作意欲を駆り立てる美しさだったのですが、目の前で少年・唯に変身してしまったので店に連れ帰ってきます・・・。唯は天界で織られた羽衣で、人型になるのは悪い人間から逃げるため、やさしくされれば布に戻るらしいことが分かると、なんとか布に戻ってもらおうとあれこれ工夫してみるのですが・・・。
唯少年はいつもニコニコ笑って純粋でいじらしく健気で、宗一郎たちの役に立とうと頑張りますがなかなか上手くいきません。宗一郎は、服作りだけがとりえの寡黙で真面目な青年です。喜怒哀楽を上手く表せないタイプだと思います。羽衣に未練はあるものの、何事にも一生懸命な唯を布として扱うことには後ろめたさもあり、かといって新しい作品はなかなか生まれず、葛藤の日々が続きます。ただ、店の仲間たち(店長と中島くん)が宗一郎よりもはるかにおおらかで、無条件に優しく見守ってくれているのと、天女のミミちゃんとその羽衣サヤちゃんがフォローに現れてくれたので安心しました。お互いを思いやる気持ちが通じ合ったとき、唯は羽衣に戻り天界に帰ってしまいますが、それでお終いではないので2巻に続いちゃうわけです。
何が萌えるかって言うと、唯が椅子に座っているシーン。必ずちょこんと正座をしています。んー、そこが唯らしい。あと、唯が着ている数々の服が可愛いのでそこも見所。男の子が着るには無理があるんじゃ?っていうようなデザインですが、そもそもが女物だし似合ってるし、いいとおもいます。
描き下ろしは学生時代の中島くんと宗一郎のお話。ただそれだけだけど、なんだかいい。カバー裏にもお楽しみがあってお得感倍増。

★★★★☆
天界に帰ったものの、自分から宗一郎の側にいたいと思い、再び戻ってきた羽衣少年・唯のところへ、本来唯の所有者になるはずだった天人・響が、彼を連れ戻しに来ます。宗一郎は唯を大事に思い、側にいて欲しいのですが、今度は優しくしすぎると羽衣に戻ってしまってまたいなくなるのではないかと懸念し、反面、人間では羽衣の役割を全うさせてやれないという後ろめたさも抱き、またグルグルするのでした。
この巻で鍵を握っているのは天人・響とその羽衣・桂です。羽衣は主人の為につくすものですから、桂は響に健気に寄り添いますが、唯に拘る響の行動に心を痛めてもいるわけです。身をきざむことまで強要されて、ああ、なんて可愛そうな桂さん・・・。しかし、その桂さんのおかげで宗一郎と唯のわだかまりも消え、響に桂の本心が伝わり、八方丸く収まったといったところです。NOS CREW(店の名前)の面々には女性の影がまるっきり見えないので、まるで3人のお父さんのところにできた息子みたいな存在になっている唯なのでありました。なのに、宗一郎が一番好きなんだよね。