久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

空色スピカ (CROSS NOVELS)

空色スピカ (CROSS NOVELS)

  • 空色スピカ

★★★★☆
男子校もので、寮もので、生徒会もので、各種行事もので、んー、盛りだくさん。BLには滅多にない2段組なので読み応えもタップリでした。
清泉学院新生徒会は、生徒会長・楠ノ瀬の天使のような外見と副会長・高科の優等生な外見から「ギムナジウム風美少年」としてプロデュースし、行事に女子が沢山来るよう画策します。
楠ノ瀬は中学から寮生活をしていて、女の子との接点も無かったような存在。全体的に色素の薄い外見は天使のようですが、中身は体育会系。元気はいいけれどスレてはいない純情な少年です。
高科は好きなピアノを極めることを断念した過去があるものの常に前向きで、突っ走りやすい楠ノ瀬を上手にカバーしながら、滞りなく生徒会を運営して行きます。
殆ど関係のない生活をしていた二人が生徒会役員に選ばれ、「美少年」としての仕事を一つ一つこなし、信頼関係を築き、互いを必要とし、恋人関係になるまでが、カレンダーをめくるように描かれています。
そもそもがヤンチャな楠ノ瀬なので「美少年役」には無理があり、序盤は彼をどうにかして「美少年」でいさせるかが課題になっていますが、高科を意識するようになってくるとはにかむ姿が増え、自然と可愛さ倍増されてきます。高科は、早くのうちから楠ノ瀬を意識しており、頭脳明晰で敏腕な分計算高く、ウブな相手を怖がらせないようからめ手から攻めていくのでした。
合唱コンクールといい、体育祭や文化祭といい、王道中の王道といった感じのシチュエーションで、先も読めまくるし思いっきりクサイし、評価を下げちゃおうかとも思ったのですが、最後の最後で楠ノ瀬の男っぷりも上げてもらえたし、先代会長のお話が次回作ということなので、期待をこめて★4つといたしました。
この作品の縁の下の力持ちは、会計の丸ちゃんの叔母さん。「トーマの心臓」「風と木の詩」「アナザー・カントリー」など、往年の名作の持ち主です。(私は、貸せない…そういえば、気がついたら本棚の「しゃにむにGO」が無くなっていた…次男が持っていっちゃったらしい…まだ読んでいないのに…)

彼のドルチェ (GUSH COMICS)

彼のドルチェ (GUSH COMICS)

  • 彼のドルチェ

★★★☆☆
父の後妻に疎まれて学生寮住まいをしている朝日が自宅謹慎処分を受け、母方の従兄・東悟の屋敷でしばらく暮らすことになります。お金持ちでもかわいそうな環境の男の子のお話です。
あちらの誤解こちらの誤解が重なって、辛いおもいばかりの朝日ですが、シンデレラのお話のように最初からフラグが立っている感じで、誤解が解けたらめでたしめでたしでございました。
東悟の執事・伊織が曲者で、あれこれかき回してくるわけですが、途中タルトなんか作っているものだから、表題に絡む何かがあるのかと期待したのですが、今のところ何もなし。
次回作は伊織が主人公らしいです。