久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

交渉人は疑わない (SHYノベルズ)

交渉人は疑わない (SHYノベルズ)

  • 交渉人は疑わない

★★★★★
前作もなかなか変だったけど、今回はもっと笑えました。あっちでクスクスこっちでプププって感じで。
ストーキングされていると言うホストから依頼を受け、調査をしていくうちに、別の問題が浮かび上がってきてしまい・・・あれこれ誤解を解きながら、八方丸く治めちゃったのに、自分のおしりは兵頭に・・・というお話。
芽吹さんってきれいな男設定なはずなんだけど、中身はおじさんでおじさんで・・・。頭の回転といい、職業柄といい口が立つのはわかりますが、ああ言えばこう言う丁々発止のやり取りに、胸がすくやら笑えるやら。
迫力は無いのに思いっきりがいいし、普通だったらここで諦めちゃうんじゃないの?ってところも諦めず、自分のポリシーを貫けるくらい男前だし。依頼人のためなら、己の体を盾にするのもいとわず、土下座をするのもかまわない、一筋縄ではいかないような男たちを手玉に取り、何故にそこまでするんですかと聞きたくなるほど真剣に向き合ってくれるんですよ。
「人は変われると信じたい」「俺は今のおまえと生きてるんだ!」なんていう熱い言葉も吐けちゃうし。いやぁカッコイイと言いたいところなんですが、全然カッコ良くない・・・。なぜなら、根本的な言動がおじさんだから。
でも、そういう意味ではとっても可愛いおじさんだと思います。あれこれ奔走しながらも、兵頭のことを考えてしまい、果ては美味しくいただかれてしまったら切れちゃうんだろうかとか、あそこの中も洗った方がよかったかとか、いちいちギャグな方向に考えが向かっていくという、外さないおかしさがあってかわいい訳です。
兵頭も二枚目になりきれないお笑い臭をお持ちの方なので、こっちも可愛い。とうとう本懐を遂げられたわけですが、思わぬ失敗をしてしまうとは、おぬしやっぱり少しギャグ体質。
伯田さんの超人的ボディーガードは炸裂するし、前作では殆どしゃべらなかったキヨも、随分前面に出てきたし、次回作もあるとのことなので期待したいと思います。